レンズとボディと私。

野鳥撮影から、いつの間にかアウトドアに魅了されたのだ。

開放だと目立つ

f:id:kazechannel:20180412122215j:image

開放だと目立つのが軸上色収差。今回もVoigtländer(フォクトレンダー )のNOKTON(ノクトン) 25mm F0.95の話。褒めてばかりでは面白くないので、今日はちょっとした欠点について書く。

解像感の低下(ソフトな描写)はこの際「味わい」として高く評価できる。そもそもF0.95なんていうカミソリピントで解像感の両立など、このレンズを手に取る人は求めていないだろう。求めているのは味わいと溶けるようなボケだと思う。

さて、F値開放のF0.95で撮影していると目立つことがある。それは軸上色収差だ。色収差とはかなりザックリ言うと青や赤、緑といった可視光線を成すそれぞれの色の波長が異なるために起こる色のズレだ。この辺の光学知識は私は詳しくはないのでもっと詳しく知りたい方はググって欲しい。厳密に言うと違うが、パープルフリンジと呼ばれたりしている。

被写体の輪郭に沿って出る紫色がソレで、特に低輝度と高輝度な部分が隣り合った時に発生しやすい。赤色と青色が重なったような見え方で、ノクトン25mmの場合はF値開放で撮影した場合に顕著に出現する。普段は開放でも優秀なOLYMPUSのプレミアムやプロレンズを使っているので最近は目にしていなかったが、久しぶりにパープルフリンジを見るとやはり目立つ。

昔EOSマウントを使っていた時なんかはパープルフリンジはよく目にしていた。良し悪しあるが設計が古いレンズが多く、それらの味を好んで使用していたためだ。Lレンズでも風景撮影などで輝度差が激しい場面に遭遇するとパープルフリンジが少し出現していた。

ノクトン25mmのF値開放は近年稀に見るくらい盛大にパープルフリンジが出ることがある。まるでフィルム時代のオールドレンズでも使用しているかのようにだ。これは明確な欠点だが、デジタルの時代においてはさほど気にする事はない。RAWで撮影してLightroomでフリンジを除去してしまえば良いだけだ。

それが出来なければ少しだけ絞ってやれば良い。具体的にはF2くらいまでちょこっと絞ると、フリンジは殆ど消えて無くなる。ただし、この場合は絞っているので、ノクトンの味でもあるソフトな柔らかい描写が消えてしまうのを忘れずに。

他にも周辺光量落ちもF値開放では見られるが、これもデジタルで補正するか絞れば解消される。デジタル様様。Adobe様様である。