レンズとボディと私。

野鳥撮影から、いつの間にかアウトドアに魅了されたのだ。

OLYMPUSは静か

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OLYMPUSは静かである。CanonNikonがフルサイズミラーレスを発売するという噂が連日のようにネットを賑わす。PanasonicはG9pro、SONYはα7Ⅲ、PENTAXK-1Ⅱと様々なメーカーが力を入れた製品をリリースするなか、OLYMPUSだけは静か。E-PL9をリリースしたが、さほど注目されていない。ペンライトシリーズもだいぶ売れ行きが良くないだろう。

OLYMPUSユーザーなので、個人的にはOLYMPUSにもっと頑張って欲しいと思う。とはいえ、静かだから何もしていないということはなく、着々とE-M5Ⅲの発売日が近づいている。E-M1Ⅱの後継機だって、今年中に発売は無いが今まさに開発されているだろう。

交換レンズはどうだろう。個人的にはPanasonicの100-400に対抗するようなレンズがリリースされると嬉しいが、実際に開発が進んでいるかは不明。たまに噂になるが信憑性はなく、次にOLYMPUSがどんなレンズを開発、販売するのかは誰にも予想がつかないだろう。

E-M5Ⅲだって、予想を裏切らないようなスペックに落ち着くと思われる。当然、像面位相差AFの採用はされるだろうが、それ以外でフラッグシップのE-M1Ⅱに並ぶ、もしくは上回ることはないだろう。フルサイズミラーレスとの差別化をどうアピールするかが課題になる。

その課題は、今頃OLYMPUSを悩ませているだろう。CanonNikonからフルサイズミラーレスがリリースされるとなると、フルサイズミラーレスを販売するメーカーはSONYを含めて3つとなる。今はミラーレス一眼のシェアNo.1のOLYMPUSだが、No.1の座をCanonに奪われるのは時間の問題。恐らく来年には奪われている。SONYにも抜かされるのではないだろうか。

OLYMPUSは今後どうするだろうか。ミラーレス機の先駆者としてのノウハウをどのように活かすのだろうか。注目していきたい。

個人的には超望遠ズームのリリースに期待している。100-400はPanasonicとモロ被りなので、更にテレ端を伸ばしてシンクロ手ぶれ補正対応だと嬉しい。価格は20万以下で焦点距離にしては小型軽量、写りは悪魔のレンズとも言われる12-100のような性能を期待したい。

 

 

イソヒヨドリを探して

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イソヒヨドリを探して近所をウロウロとしてみた。4月に入った頃のことだ。仕事から帰って車を降りると聞きなれない囀りが響く。見渡すと離れた電柱の天辺にヒヨドリほどの大きさの鳥が止まっていた。最初はヒヨドリかと思ったが、目を凝らすと微妙にヒヨドリよりも青く、お腹が茶色に見えた気がした。

車に戻り、車内に常備しているポケットタイプの野鳥図鑑をパラパラめくってみると、どうやらイソヒヨドリが最も特徴として近いようだった。しかし説明には海辺に生息すると書いてある。

おかしい。私の住んでいる地域は海から直線距離にして100km以上は離れている。どちらかというと都市部で、人口密集地帯、そして某一大観光地であり、イソヒヨドリが居るはずがない。

イソヒヨドリについて色々とネットで調べてみる。全長23cm、オスは頭から胸、背、腰までが青藍色で腹部は赤褐色。アフリカとユーラシア大陸に広く分布する鳥で、和名通り海岸や岩山などで多くみられる。ヒヨドリに似ていることからイソヒヨドリと和名がついているが、分類上はヒヨドリ科ではなくツグミ科。最近は市街地にも生息例がある。

イソヒヨドリも色々あって市街地に進出しているようだ。まるで海沿いのド田舎から都市部に進学で引っ越した私のようだ。妙に親近感が沸く。(笑)

是非ともその市街地で生きる姿を撮りたいと思い、カメラと双眼鏡を助手席に乗せて近所を走り回った。周りから見れば明らかに不審者である。探してみるも、案の定すぐに見つかることはない。何度か外出していると見つけることには最高するも、遠すぎたり飛び去られたり。なかなか写真に収められない。

家の外でじっと待つ作戦に切り替え、囀りが聞こえれば動くことにした。待って、待って、待った。が、聞こえるのは車が通り過ぎる音と、スズメの地鳴き。カワセミでも経験した事だが、待つとなかなか現れないものである。この日は諦めることにしたが、少しでも望みがあればと思い一応カメラを助手席に乗せて夕飯の買い出しに出た。

そして帰宅。車を降りると綺麗な囀りが響き渡る。イソヒヨドリだ。だが目測で50mは離れていた為、距離がありすぎて600mmでも小さくしか写らない。数枚撮影したところで飛び去ってしまい撃沈。

なかなか上手くいかないが。ちゃんと撮れるまでは追いかけてみようと思う。

 

E-M1との組み合わせ

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E-M1との組み合わせで使用することが多い、NOKTON 25mm F0.95の使用感などについて今日は記述する。これまでの記事では描写性能などについて記述してきた。

まずはNOKTON 25mm F0.95の操作系をおさらいする。操作系は至ってシンプル。フォーカスリングと絞りリングをマニュアルで動かすのみ。電子接点がないので便利な(ややこしい)ボタン類などは装備されていない。私が購入したTypeⅡには絞りリングのクリック感を無くす機構が組み込まれているが、この際それは無視しておこう。

私はE-M1 markⅡも使っているが、ノクトンと組み合わせるのは専ら子供撮り専用サブカメラのE-M1のほう。E-M1はOM-Dシリーズのフラッグシップとして2014年ごろ(うろ覚え)発売されたカメラ。今は中古が非常にお安い。

E-M1ファームウェアアップデートで1/16000秒の電子シャッターに対応できるようになったので、ノクトンをF0.95を解放で使っても露出オーバーになりにくい。加えてEVFが230万画素超えと高精細なので、ファインダーでのピントの把握がしやすい。

更にフォーカスピーキングや拡大表示をファンクションボタンなどに割り当てるカスタムをしていれば、より高精度にピントを追い込める。こういう点ではミラーレスは一眼より優れているとつくづく実感する。

ノクトンのフォーカスリングが可動角度が本当に広い。金属で出来たフォーカスリングの質感は非常に高く、組み付け精度も高いのでガタつきは一切ない。指を添えじんわりと力を入れると、等速で動くかの如くスーッとリングが動き出し、ピントもそれに伴ってまるで被写体を舐めるかのように動き出す。

グリスで適度に抵抗を持たされているので、狙った場所にピントを置くのは簡単だ。ピタッときまるという表現が相応しいと思う。フォーカスリングの可動域が広いこともそれに一役かっているだろう。

絞りリングは適度なクリック感があり、操作がわかりやすい。しかし、電子接点が無いのでF値をいちいち目視で確認する必要がある点は、デジタルからカメラを始めデジタルに慣れた身としてはちと不便。クリック感は適度だと書いたが、個人的にはもう少しハッキリしていても良い。

他に可動する部分はない。レンズフードはねじ込み式だが私の場合は付けっ放し。これは多分今後も着脱することはないだろう。

ノクトン 25mmはピントを置くという動作を楽しく感じさせてくれるレンズだ。AF仕様にすることは難しくはないだろうが、コシナには是非ともこういったレンズを作り続けてほしいと思う。

開放だと目立つ

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開放だと目立つのが軸上色収差。今回もVoigtländer(フォクトレンダー )のNOKTON(ノクトン) 25mm F0.95の話。褒めてばかりでは面白くないので、今日はちょっとした欠点について書く。

解像感の低下(ソフトな描写)はこの際「味わい」として高く評価できる。そもそもF0.95なんていうカミソリピントで解像感の両立など、このレンズを手に取る人は求めていないだろう。求めているのは味わいと溶けるようなボケだと思う。

さて、F値開放のF0.95で撮影していると目立つことがある。それは軸上色収差だ。色収差とはかなりザックリ言うと青や赤、緑といった可視光線を成すそれぞれの色の波長が異なるために起こる色のズレだ。この辺の光学知識は私は詳しくはないのでもっと詳しく知りたい方はググって欲しい。厳密に言うと違うが、パープルフリンジと呼ばれたりしている。

被写体の輪郭に沿って出る紫色がソレで、特に低輝度と高輝度な部分が隣り合った時に発生しやすい。赤色と青色が重なったような見え方で、ノクトン25mmの場合はF値開放で撮影した場合に顕著に出現する。普段は開放でも優秀なOLYMPUSのプレミアムやプロレンズを使っているので最近は目にしていなかったが、久しぶりにパープルフリンジを見るとやはり目立つ。

昔EOSマウントを使っていた時なんかはパープルフリンジはよく目にしていた。良し悪しあるが設計が古いレンズが多く、それらの味を好んで使用していたためだ。Lレンズでも風景撮影などで輝度差が激しい場面に遭遇するとパープルフリンジが少し出現していた。

ノクトン25mmのF値開放は近年稀に見るくらい盛大にパープルフリンジが出ることがある。まるでフィルム時代のオールドレンズでも使用しているかのようにだ。これは明確な欠点だが、デジタルの時代においてはさほど気にする事はない。RAWで撮影してLightroomでフリンジを除去してしまえば良いだけだ。

それが出来なければ少しだけ絞ってやれば良い。具体的にはF2くらいまでちょこっと絞ると、フリンジは殆ど消えて無くなる。ただし、この場合は絞っているので、ノクトンの味でもあるソフトな柔らかい描写が消えてしまうのを忘れずに。

他にも周辺光量落ちもF値開放では見られるが、これもデジタルで補正するか絞れば解消される。デジタル様様。Adobe様様である。

ボケ味が秀逸

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なVoigtländerのNOKTON 25mm 0.95を使い始めて色々わかったことがあったので、今回はその事をつらつらと羅列する。

まずは描写について。トップの画像は開放のF0.95で撮影したものだが、ご覧の通り開放ではソフトな描写。OLYMPUSのPROレンズのように開放からシャープな感じではなく、ピントが来ている部分の線をを描きながらもふんわりと滲むような描写を見せる。ネコヤナギの小さな花に夕暮れの光が当たった柔らかな場面を、雰囲気たっぷりに切り取ってくれた。

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菜の花も開放で撮影。春のあたたかな陽気が今にも伝わってきそうな一枚になったと思う。その場の雰囲気が独特な描写から伝わってくる。逆にいうと撮影者の意図をしっかりと繁栄してくれるレンズと言っても良いだろう。

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春の風に揺られて雄しべにピントがなかなか合わせられないような場面でも、微調整が効くヘリコイドでのマニュアルフォーカスは苦ではない。撮影している時に左手の指に適度に伝わるトルク感が心地良さを感じさせてくれた。中央以外だとやや解像感は落ちるが、そんなことは全く気にならない。背景の桜の花の見事なボケにうっとりする。

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ところが、少し絞れば開放でのソフトな描写から豹変し、クリアで抜けの良いシャープな写りをする。リアルなタンポポの質感が伝わってくるのではないかと思う。上のタンポポの写真はF2に絞って撮影したもの。ピント面はしっかりと線を描いているが、相変わらず背景ボケは溶けるような美しさだ。

被写体にかなり接近できるのでボケを生むのは容易だ。マイクロフォーサーズはフルサイズに比べるとボケにくいが、これだけボケを綺麗に演出できれば大満足。何度見ても美しいボケだ。

レンズによっては馴染みすぎて逆に汚くなったり、ボケがうるさくなったりするものもあるが、ノクトン25mmは私の所有するレンズの中で最高のボケを生むレンズだと思う。撮影する楽しみ。現像する楽しみ。鑑賞する楽しみの全てを満たしてくれる一本だと思う。

ただし解像度はPROレンズが上だ。バランスが良いという点では25mm F1.2PRO方が優れている。ただ、道具として考えた時は質感や満足度という点でノクトンが優と思う。

マイクロフォーサーズマウントを使うなら、一度は手にしたい銘レンズだ。