レンズとボディと私。

野鳥撮影から、いつの間にかアウトドアに魅了されたのだ。

FALLKNIVEN S1

FALLKNIVEN(ファルクニーベン)はスウェーデンのナイフメーカーで、同国の空軍にナイフを提供しているメーカーだ。代表的なナイフはF1だと思うが、私が持っているのはF1よりも一回り大きいS1だ。

 

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ナイフは沢山所有しているが、キャンプではいつもS1を使用している。ちなみに登山ではフォールディングナイフしか持たない。フィクスドナイフが必要な場面は無いからだ。それにフィクスドは携帯性が悪い。

ところがキャンプではバトンをしたりするので、頑丈で頼りになるナイフが必要なのだ。ただ薪を割るなら斧や鉈でも良いが、ナイフの方が汎用性が高い上、携帯しやすいので必ずナイフを使用している。

 

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S1はラミネートVG10という鋼材を使用している。芯材を異なった性質の鋼で挟むことで、それぞれの長所を活かしながら短所を少なくする技術だ。

芯材であるV金10号という高級刃物用鋼材は、純度の高い原材料を使い、最高の製鋼技術で作られ、靭り強く、加工性、鍛造性に優れた素材らしい。もちろん日本製。日本刀文化によって培われた製鋼技術が手の中にあると思うと、妙に男心をくすぐられる。そして妙に誇らしくも感じるのだ。

グラインドはコンベックス。見る角度によって表情が変わって面白い。ブレードのトラブルが起こりにくい上、切れ味も良い刃付けだ。

 

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グリップはサーモランというファルクニーベン独自の素材。硬質ゴムのような素材で、握った時にじんわりと暖かく、割と硬めの素材なのでチェッカリングが効いて滑りにくい。金属部が手に触れないので、極寒地で凍傷になりにくいらしいが、日本では無縁。

グリップは木製の方が雰囲気が出るように思うが、木製は割れることもあるし、握った時に滑ることも考えられる。あくまでフィールドでの機能を求めた結果、サーモランを採用しているのだと思う。

ただ、握った感じが少し薄いように感じる。その分、手の中で転がしやすいのだが、ホールド感は最高とは言えない。

 

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シースはザイテル製で、無駄のないシンプルなデザイン。強度がありながらもブレードには優しい。非常にスリムなので、バックパックに入れやすい。

シースもナイフ本体も、使い込むほどに傷が増え味が出てくる。こういう素っ気なく感じる素材を使った現代風ナイフでも、味を楽しむことは可能である。

砥ぐたび、触るたびにやっぱり良いナイフだなと思える私のお気に入りナイフだ。