レンズとボディと私。

野鳥撮影から、いつの間にかアウトドアに魅了されたのだ。

魔法の煙

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魔法の煙でちょいと燻してやれば、ベーコン、煮卵、ウインナー、チーズ、大概のものは美味しく化ける。さらに「美味しく」というべきだろうか。そう、魔法の煙とはスモークチップやウッドから出る煙のことである。

流行りというのはコロコロと移り変わるものだ。最近の私の中での流行りは「燻製」で、最初は小さなスキレットでの燻製から始まったが、気がつけば専用のキットを購入するに至っていた。 いやはや、流行りとは恐ろしいものである。

燻製には冷燻、温燻、熱燻と三種類の方法がある。字が表す通り、燻す温度帯が違うのである。冷燻は燻製をするための大きな空間を有しているか、気温が低い時期でない限りは一般人には出来ない製法。なので私の場合、温燻と熱燻のどちらかの方法を用いることになる。

スモークに使用するチップには二つ種類がある。一つは木を粉々に粉砕し、小さな木片のような形状をした「スモークチップ」と呼ばれるもの。これは直接火を点けるとただ燃えてしまうだけなので、間接的に高温となるように熱源で温める。一定温度まで達すると、チップが炭化すると共に煙が出るという仕組みだ。この時、ザラメ砂糖をチップに混ぜておくと色付きが良くなる。

もう一つは「スモークウッド」というもの。これは直接火を点けるタイプで、線香のように火をあげないまま少しずつ燃える。燃える際に出た煙で燻すという仕組みだ。物にもよるが、一度点火すると2時間程は煙が出るし、高温になりにくいので温燻に最適だ。

スモークチップでの温燻は温度管理が大変だが、ウッドよりも色づきが良く、熱燻なら食材にゆっくりと火を通すことが出来る。おまけにチップのほうが安価である。

ウッドは一度火をつけてしまえば、燃え尽きるまで放置していても問題はない。ただ、チップに比べ価格がやや高い。とは言っても石鹸のくらいの大きさのブロックが3つ入って400円ほどなので、コストが気になるような価格ではない。

昔のそのまた昔であれば、燻製は食料保存の方法として非常に有効であった。しかし保存技術が格段に向上した現代において、燻製は食材に香りを付加する技術に過ぎない。しかし、他の保存技術には無い、食材の美味しさを引き出す魔法がある。特に出来立ての燻製なんかは格別だ。

もちろん、何でも燻せば美味しくなるというわけでは無いのだが...。