レンズとボディと私。

野鳥撮影から、いつの間にかアウトドアに魅了されたのだ。

続 MSR WINDBURNER STOVE

 

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今回はMSR WINDBURNER STOVE(エムエスアール ウインドバーナー ストーブ)のレビュー続編だ。

このウインドバーナーは機能こそジェットボイルと同等だ。水を一早く沸騰させることに特化したストーブシステムなのだが、ある部分においては他のメーカーに比べ圧倒的な性能差を持つ。そのある部分とはズバリ「耐風性能」だ。

ジェットボイルの湯沸は確かに爆速なのだが、使用環境がいつも無風とは限らない。自然界では四方から風が強弱をつけて吹く事が多い。そのような環境下では火が安定しない上、熱が逃げてしまうためになかなか沸騰させられないのがジェットボイルの弱点で、風防を使うなどの対策を強いられる事がある。

しかし、ウインドバーナーは強風が吹く環境下でも確実に水を沸騰させてくれる。秘密はバーナー部分と、熱を吸収するリアクター部分にある。

 

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タービンのように配置されたリアクターの1つ1つが熱を吸収するだけでなく、排気のコントロールを担っている。ガスの燃焼によって得た熱はリアクターに吸収され、さらに排気口に届くまでのクッカーの底全体を温める。

なんとなくだが、こういう機能美的な造形は非常に男心を擽るものがある。

 

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側面に空いた平行四辺形の穴が排気口だ。バーナーの熱はここから排出される。ガスはミックスシリンダー(空気とガスを混ぜる部品)を通りバーナー部まで運ばれ、そこで燃焼、熱エネルギーをクッカー底が高面積で受け止め、側面から排出される。つまりは燃焼を邪魔したり、熱効率を下げる自然風が入る隙間が無いのだ。

 

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燃焼によって発生した熱の流れを書くと上のような画像の通りとなる。オレンジ色がバーナー面で、赤色の矢印が熱をイメージしている。ちなみに実際のバーナー部分はこんな感じ。

 

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金属のメッシュが幾重にも重なっている。中には特殊な触媒が入っているらしいが、分解できないので実際にお見せすることはできない。

高面積のメッシュによって発生する多量の遠赤外線によってお湯を沸かすので、効率が良く風に強いのだろう。

 

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燃焼直後は一本の細いワイヤーが発光する。これが着火した事を示してくれるので、わかりやすくて良い。着火はマッチかライターが推奨されている。おそらくだが圧電着火式のイグナイターやメタルマッチでは着火しないだろう。マッチ数本と刷り紙を小さなチャック付き袋に入れておけば安心だ。

ちなみに500mlのお湯を沸かすのにかかった時間は2分だった。ティファールよりは早いが、早さだけならジェットボイルが勝るか?

 

 

MSR WINDBURNER STOVE

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MSR(エムエスアール)のウインドバーナーを手に入れた。有名なジェットボイルが販売している高速湯沸器のMSRバージョンといったところか。 ジェットボイルはモンベルが代理店をしているので国内での入手は容易だが、MSRのガス機器は日本のガス検査協会の基準をクリア出来ないので日本では正式販売されていない。ガス検を通ってないから危ないと言う物ではなく、普通のガス機器と同じように使える。日本の基準は極めて厳しく、あのSOTOでもよく発売を延期する事があるほどで、アウトドア用品がクリア出来ないことは往々にしてある。

 

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セット内容はこんな感じ。クッカー、バーナー、フタ、計量カップ、缶スタビライザー、クロスの合計6点だ。ガス缶は付属していないが、容量110g前後のガス缶がピッタリ収納できる。つまり水を沸かすのに必要な全てが1つにまとまるのだ。

 

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スタビライザーはこんな感じ。110g缶と250g缶に対応している。プラスチック樹脂で出来ているため非常に軽量。場所によっては必要な場面もあるだろう。

 

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バーナーはわりとズッシリした重みがある。ハンドルが綺麗に収納できるようになっているのが良い。説明書によると、この部分にサーマルトリップ機構が入っている。サーマルトリップとは加熱し過ぎた場合に自動で消化するシステムだ。おそらくはクッカーの変形やガス缶の破裂を防止する為の機構だろう。何気にハイテクだ。

 

 

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クッカー本体の内側とカップの両方に目盛りが付いている。必要な量だけの水を計って入れられるため、無駄にガスを使わなくて済む。

 

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蓋は蒸気口と注ぎ口がある。半透明なので沸騰具合がわかりやすい。注ぎ口は水を線状に出すことができるため、ドリップコーヒーを入れる時なんかに便利。

 

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カバーとクッカーは簡単に分離でき、掃除も楽そうだ。

 

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ガス缶を入れて全てを収納すると、気持ち良いくらい綺麗に収まる。この状態で約600gほどだ。正直、PRIMUSのクッカーとSOTOのウインドマスター 、110gガスを組み合わせた時の方が軽いが、燃費や機能を考えると納得できる重量増ではある。

次回以降は機能や使用感などのレビューを記載していく。

 

THERMAREST スラッカーハンモックハウス

キャンプでは基本的にテント泊だ。タープ泊もすることはあるが、基本はテント泊だ。あの地べたに寝る感じが、なんとも安定感があって好きなのだ。

しかし、テント泊が必ずしも快適ではない時がある。今の時期みたいな暑い日が続くと、テントの中は蒸し風呂状態。どれだけベンチレーションを活用したとしても熱中症になるリスクが高い。流石に快適とは言い難い。そんな時でも涼しく快適に過ごせるのがハンモックだ。

というわけで、THERMAREST(サーマレスト)のスラッカーハンモックハウスのレビュー。これのレビューが見つからないので、多分私が初めてだと思う。

 

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スラッカーハンモックという名前に「ハウス」が続くこの製品の特徴は、ズバリ全てが1つに揃っている点だ。ハンモックとタープ、それらの設営に必要なストラップとペグ、ガイロープなど、ハンモック泊に必要な全てが揃っている。だからこそ「ハウス」なのだ。ちなみに収納サイズは36×19cmで、重量は約1900gだ。

メーカー希望価格は30,000円+税とそれなりの価格だが、Amazonを覗いていると急に51%オフになっていたので即注文した。

 

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設営は他のメーカーのハンモックと同じなので、説明書を見る必要はない。ツリーストラップを木に設置し、更に蚊帳を引っ張るストラップを設置するだけだ。簡単に蚊帳付きハンモックの設営が完了する。

ストラップは長さ調整がワンタッチで、いちいち結び直したりする必要はなく、スピーディに設営ができる。

 

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この状態で寝転がると、そこから見える景色は最高。正しく自然に包み込まれている感覚だ。ゆらゆら揺れながら、鳥のさえずりが響く山中でリラックスできる。暑い夏でも木陰で涼みながら読書をしたり、転寝したり、素晴らしく贅沢な時間だ。

 

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タープの設営も極めて簡単。蚊帳用ストラップに黄色い輪っかが付いているので、タープに設置されたフックを輪っかに引っ掛けるだけで済む。ややこしいロープを張る作業は皆無だ。付属のペグを地面に刺して、ガイロープでタープを張れば、あっという間にタープ泊が出来る状態になる。

 

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当たり前だが専用品なのでぴったりサイズ。タープの色がグレーホワイトなので自然界では目立つが、ハンモック内が暗くならないのでこれはこれで良い。タープ内部には便利なランタンフックが備え付けてある。

今回は試し張りなのであまりゆっくり出来なかったが、ファーストインプレッションはすこぶる良好。良い買い物をしたなあ、なんて思いながら片付けをした。

片付けも簡単で、撮影の逆をするだけ。全てがワンバックに収まるのが気持ち良い。

 

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THERMARESTはハンモックの分野では新興の部類だが、質感といい、デザインコンセプトといい、実によく出来たハンモックだ。

 

 

 

 

 

 

EXOTAC nano SPARK

EXOTAC(エクソタック)とはジョージア州アトランタ郊外にある会社。あらゆる状況下でも必須となる「着火」をテーマとして、ファイヤースターターとその関連機器を製造、販売している。日本での代理店はUPIだ。

 

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そのエクソタックが販売しているnano spark(ナノスパーク)という商品を購入した。非常にコンパクトなファイヤースターターで、大きさは6.9cm、重さは僅か17gだ。ライターに良く似た形だが、あくまでフリント式のファイヤースターターだ。麻や綿、フェザースティックなどの着火や、バーナーなどのガス機器の着火に使用するアイテム。100円ライターの方が便利かもしれないが、こういう機能が少ないアイテムも男心をくすぐる。100円ライターでは火をつける楽しみが無い。

 

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本体は筒状になっており、中に付属の着火剤が収納できる。もちろん防水仕様。フリントストーンの交換も内部から行う。予備のフリントストーンを入れることもできるし、工夫すれば着火剤以外の物も収納可能だ。

ライターのように火を灯し続けることはできないが、着火剤や燃えやすいティッシュなどを使用すれば簡単に火を起こせる。火花が割と大きいので、バーナーの着火も容易だ。最近のバーナーには圧電着火装置が付いている物が多いが、圧電着火装置はトラブルがつきものだし、環境によっては着火が出来ないこともある。その点ではアナログなフリント式の方が頼りになる。私が愛用しているSOTOのストームブレイカー は着火装置がないので、ナノスパークのようなストライカーは役に立つ。

 

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確実な着火のみに機能を絞った潔さと、アルミ削り出しのスマートなデザインが所有欲を満たす良品だ。

 

 



REAL STEEL H6-S1

フォールディングナイフはあまり所有していないが、キャンプで主に使うフォールディングナイフはREAL STEELのH6-S1カーボンだ。

 

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平織りのカーボンが印象的なモデルで、ベータプラスロックという特許技術も搭載されている。簡単に言うとオープン状態でロックする機能で、ハードな使い方をした時にロックが外れブレードが動くことを防いでくれる。要するに、安全装置といったところだ。

ハードな使い方と言うのは、本来フォールディングナイフが想定していないであろうチョップやバトンのことだ。

私は乾燥した堅い楢薪をH6でバトンしたりすることもあるが、ガタつきは一切なく、フレームロックは頑丈だ。

 

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鋼材はサンドヴィック社の14C28Nを採用している。鋼材は結局のところ最終の焼入れで良し悪しが決まるようだが、リアルスチールの焼入れは悪くないようで、ブレードのトラブルは今のところ無い。切れ味が落ちても軽くストロップするだけで済んでいるが、やや硬い鋼材なので研ぎやすくはない。

 

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ブレードの形状も個人的に好み。ブレードの先端からグリップにかけて、全体的に無駄のない印象を感じる。

約3インチのブレードは細かい作業をするのには丁度良い。手首の動きもスムーズで、ブレード全体が使えるような感覚を覚えるのは、3インチ以内のナイフだ。ブレード形状にもよるのかもしれないが、3.5インチになると途端に使いにくさを感じる。手に余る感覚だ。

 

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オープン、クローズの動きもスムーズ。アンダー1万円ナイフの中では、デザインも含めなかなか良いと思う。細部まで綺麗に仕上がっているし、手にした時に剛性を感じられる。

関係ないけど、iPhoneの画質って凄く良くなったなあ。最近は専らiPhone xsで撮ってます。